私にあまりブラジル人ぽくない“ブラジルの弟”がいることについては折に触れてきた。
上記以外の他のエントリーにも思い出したようにフラフラとこのブログに頻出してくる人物なのだが、今日は彼と、その彼と5年も付き合っていた日本人の彼女について書いてみようと思う。
まず、一番の驚きポイントは、ヤツが日本に旅行に行った時の最終日の夜にひとりでふらっと入ったバーでみっちゃん(仮名)と出会って意気投合したがその翌日に帰国、
その後一度も直接顔を合わせることのないまま5年も付き合い続けた、
というところだ。
付け加えると弟は今までみっちゃん以外の女性とお付き合いしたことは無いし、みっちゃんと付き合ってる間に他の人と浮気もしていない(現在20代後半)、ブラジルで見つけるのはツチノコくらい難しい幻の生き物だ。
インターネットが普及したこの昨今、手紙くらいでしか交流する手段の無かった昔よりは数億倍コミュ二ケーションは取りやすく、実際付き合い始めの数年は毎日ビデオ通話で話をしていたようだが、それにしても、だ。
長く付き合っていたカップルだって何年も会えないまま離れてしまえば(離れていなくても)さすがに心変わりするケースも多いと思うが、それでも彼らは遠愛を貫いていた。
弟と私の共通の友人である日系ブラジル人男性は、
「そんなにずっと離れていてしかも日本で1日だけしか直接会ってないのに付き合い続けるなんて信じられない!僕には到底無理、ありえないね!!」
と言い、
「チガウヨ、1日じゃナク一晩だけダヨ」
と呑気な弟に違うポイントを訂正されている始末で、こちらでは恋人や家族との関係が密でスキンシップをとても大事にする(ここでも少し触れたが、ブラジルは刑務所にいる人にもパートナーとの性交渉を認める珍しい国だ)
なので、他のブラジル人たちの弟に対する意見もだいたい同じようなものだった。
純日本人女子である私としても、この浮気が横行するポイズンな世の中において、しかもさらにそういう話ばっかり聞くブラジルにおいて、ほんの数時間しか一緒に過ごしてないのにその後も遠く離れていても一途にずっと思い続けるなんてロマンティックで素敵だなあ、弟のそういうピュアなところはとっても良いなあ、と心の中で拍手を送ってはいたものの、
『なんでどっちかが金貯めてせめてとりあえず10日間の旅行とかでもいいからサッサと会いに行かねーんだよ!!空港で抱きしめて早くブチュっとやってこーい!』と、
傍で見ていて歯がゆく思ったことも1度や2度では無かった。
彼は彼なりに日本に行くことは考えていたようで、日本の大学へ留学する試験も毎年受けていたのだが残念ながら通ることは無かった。(彼の名誉のために付け加えると、この子はバカなのかな?と頭のお花畑ぶりに引くことが多々あるのは否定しないが決して勉強ができない訳ではない。その証拠に2年~3年ほど前にいつの間にかブラジルで一番良い大学に一切試験勉強とかしてなかったくせにサクッと受かっていた。憎たらしい。彼の日本でやりたい専門分野ではブラジルからの前例があまり無かったようで留学試験は落ち続けたけども。)
Universidade de São Pauloサンパウロ州立大学
遠距離で5年も付き合い続け、このコロナ禍でみっちゃんも考えることがいろいろあったのだろうか、いつからか弟とみっちゃんの連絡の頻度は下がり、そしてなかなか連絡が取れなくなっていたようで、ついに去年の10月ごろにみっちゃんはもう他の人と付き合っているので別れることになった、との報告を私にしてきた。
その別れの顛末も、よくよく聞くと非常に香ばしく、みっちゃんもありえないくらいの曲者だな、、、という話だったのだが、みっちゃん(仮名)といっても彼女のプライベートな事なのでここでは書かないことにする。(本当は書きたくて仕方がないのだが。)
みっちゃんと共に日本語を頻繁に話す機会を失いしなだれた弟はその頃から私と週に1回ポルトガル語と日本語を相互に練習する会をzoomで行うことにし、最近またいろいろな話を聞くようになったので、弟の面白ネタを次回も書いていこうと思う(弟には許可取り済み)。
あ、一応書いておくが、弟は日本でみっちゃんと出会ったそのたった一夜のうちにちゃっかりやることはやっている。
お手数ではございますが2つとも押していただければ幸いです