ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

ブラジルに住む日本人サンバダンサーの全く華麗ではない日々

ブラジル・日本人サンバダンサーのカレーな日常

 

風邪をひいた。

 

リオはサンパウロに比べだいぶ暖かく、ダウンまで着こまなければ過ごせないという日は皆無である。

だが、この時期の、8月のリオは結構寒い日もある。

ブラジルといえども一応冬のくくりなのでブラジル中部以南においては当然だが、今年は例年よりもさらに寒いとちまたでは評判だ。

でもそれにしては日中にお日様が照ったりすると真夏並みに暑くなる時もあるので、体内の温度調節機能が完全におしゃかになり、お休み中である不摂生もたたってまんまと風邪をひいてしまった。

 

普段基本は自炊をしているが、ひとりで面倒になるとカロリーが高いだけで栄養はあまりなさそうなお手軽なものを買って食べて過ごしてしまうこともある。

リオの別宅では調味料や食材、鍋等の炊事機器も最低限はそろえているが、サンパウロの家に比べると充分ではない。

 

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日系人に嫁いだ友人が50年前以上前にブラジルに嫁いだ日本人の義母から譲り受けたのを光栄にもいただいた由緒あるHITACHI製炊飯器をリオで使わせていただいている。1合なら10分ほどで炊け、異常に周りが熱くなりすぎやけどを負ったりはするがまだ現役で使えている日本の技術の良心を感じる一品だ。日本って素晴らしい。

 

 

一緒に料理を作り合える気の置けない同居人もここリオにはおらず、干してあったブラジャーを盗んだと疑ってしまうようなうかつに気を許してはいけない隣人がいるばかりなので、生きる気力を失ういっぽうだ。

 

 

こんな時はカレーだ。

カレーが食べたい。

 

風邪をひくとカレーが食べたくなるという説はどうやら私には真実のようだ。

ふだん好物にあげるほどには好きではないのだが、いつも体調がいまいちな時には無性にカレーが食べたくてたまらなくなる。

 

だが、日本から持ってきたり日本の友人からいただいたルーはことごとく消費してしまっていた。

リオの日本の食材屋さんはサンパウロのように充実しておらず、一時間かけて行ってみるもブラジル製のカレーのルーが20レアル(700円ほど)で売っていた。

サンパウロでも日本製のカレールーはそのくらいするので、ブラジル生まれでもなく、お金持ちでもなく、アイダホ生まれのナビスコ育ちでもない日本生まれの日本育ちである私には異常に高く感じ馬鹿馬鹿しくてとても買う気になれなかった。

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そんな中、近所のスーパーに寄った時にふいにカレーの神からの啓示が下りた。

 

カレー粉からカレーを作るのだ我が民よ。

 

そうだ。

ルーが無くてもカレー粉さえあればカレーは作れるはずだ。

 

恥ずかしながら今までの人生でカレーをいちから作ったことが今まで無かったので気が付くのが遅れた。

こっちでは日本のように食べたいと欲したものが気軽に買えなかったり便利な品があまり無なかったりあってもとても高いので、明太子を魚卵から作ったり、納豆を大豆から作ってみたことはある。

 

だがカレーにはまだ手を付けていなかった。

 

よし、いっちょ作ってみるか。

 

とりあえずカレー粉と玉ねぎをスーパーで買い、あとは適当に家にあまっている食材で作りたまえ迷える子羊よ、と経済的観念を司どる神に言われたような気がしたので、それに従った。

 

家に戻りネットでいろいろなルーなしカレーレシピを巡礼してみる。

レシピにぴったり合った食材は冷蔵庫に無かったので、自分でいろいろなレシピをまぜてアレンジしたらなかなか簡単に美味しくできた。

 

さてここで、ヴァ―モス!ブラジル・リオ・デ・ジャネイロ・クッキング!である。

ブラジルや海外で手に入りやすい食材で作れると思うので、日本の国民食であるカレーが日本以外で食べたくなった時にぜひ参考にして欲しい。

 

材料

〇ベースのベース

玉ねぎ 2個

バター 20グラム

りんご 小4個

にんじん 小1本

水700ミリリットル

 

△ベース

カレー粉 45グラムくらいの一袋

コンソメ2個ー3個

トマト2個

しょうが 親指くらい すりおろしたもの

にんにく 2かけ すりおろしたもの

ウスターソース 大さじ3

ケチャップ 大さじ2

醤油 大さじ1

はちみつ 大さじ2

 

コーンスターチ 大さじ3

水少々(コーンスターチ溶き用)

 

▢具

ひき肉 200グラム

ズッキーニ 中1本

さやえんどう 8本

マッシュルーム水煮 100グラム 

ピーマン 1個

バター少々(炒め用)

 

◎余力

そこらへんにあるカレーに入れるとおいしくなりそうなものをためらないなく少量ずつぶち込む

インスタントコーヒー、しょうがの粉、タバスコ、ニンニクエキス等

あれば何かの乾燥した葉っぱやら香辛料を目についた折から片っ端から入れてみよう。

 

 

作り方

〇ベースのベース

1.玉ねぎをみじん切りにし、レンジで4分ほど温めた後、鍋にバターを入れあめ色になるまで炒める。

2.すりおろしたリンゴとにんじんを水とともに、あめ色になった1に投入

 

△ベース

3.トマトはキューブ状に切り、しょうがとにんにくはすりおろしておく。2がぐつぐつして5分ほどしたら、△ベースのコーンスターチ以外のすべての材料を入れる。

4.煮込まってきたら、水溶きしたコーンスターチでとろみをつける。

 

▢具

5.▢具は適当な大きさに切りバターをしいたフライパンに肉から野菜の順に入れ軽く焦げ目が付くくらいに炒める。

6.4のベースを作っておいた鍋にすべて入れ、2,3分煮込む。

 

◎余力

7.◎余力でてきとうな調味料を少量ずつ入れてみる。

 

8.戦後4種目の神器である昭和炊飯器で炊いたごはんにお皿に盛り付けてできあがり

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完成♡

 

ここに記してある材料はすべてブラジルのスーパーで簡単に手に入るものでできている。

具は家にあるものを適当に入れたので、どんな肉にも野菜にも代えてもらって構わない。

林檎などを擦りおろした質感が出るはずだし、ダマになったら面倒なのであえて小麦粉を使わなかったが、コーンスターチではなく小麦粉から作ってもらってももちろん良い。

普段カレーのルーから作る時には他にもウコンやらクミンやらフェンネルやらの香辛料やココアやチョコなどを目分量で適当に入れたりするのだが、(あと、自分の汗とか涙とか頭や体のへんなカリカリとか♡)リオの家にはそれらが常備されていなかったにもかかわらず、かなり美味しくできた。

ベースのたまねぎなどの野菜の旨味が凝縮している。

幼い頃は理解できなかった辛いものに甘いものを入れるという行為も、秀樹の推奨していたように林檎とはちみつとろーり溶けて、ウー!バーモント!!と叫びたくなるほどの深みが出た。

1日置くと味が落ち着いてまたこれが美味しくなるはずなので、これから温めなおして食べようと思う。

もう夜中だが、休み中でそう運動もしていないリオ・デ・ジャネイロにて着実に太っている手ごたえがあるが、病床にいる身なのを言い訳にこれはノーカウントとしたい。

 

ブラジル・日本人サンバダンサーのカレーで美味しい日常、ここにあり。