ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

ブラジルに住む日本人サンバダンサーの全く華麗ではない日々

ブラジル・コロナ禍の引っ越しの顛末

私は去年の6月に引っ越しをしたのだが、まだ思い出すと暗い気持ちになり心が痛いので封印していた話がある。

わたしが使用しているはてなブログの今週のお題「引っ越し」らしいので、あれから時間も経っていることだし、今回はその時のことについて書いてみたいと思う。

ここにも書いていたようにコロナ禍において皆さんと同じようにくさくさはしながらも、幸い素敵なルームメイトたちに恵まれたおかげでそれなりに元気に過ごせていた。

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だが、私についてでなくともルームメイトたちに次々と不幸が訪れ、一人抜け二人抜け、新しい人が入ってきても馴染めず、長く続く自粛生活も相まって鬱々としてしまう日が多くなっていた。

特に私の隣の部屋にペドロの代わりに11月に新しく入ってきた自称歌手の若い女の子をどうしても好きになれなかった。

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彼女は私を軽んじてはいてもわざと意地悪はしないし、嫌われていると感じたことも無かった。

ブラジルのシェアハウスにおいては人のものを盗んだりしないだけで大合格、という低い判断基準しか持たない私である。

それに私はこのコロナ禍に家でzoomレッスンを細々と行っている状況におり、ステップを踏んだり音を立てても問題にならない1階のアパートにたまたま住んでいたのはラッキーなことだと思っていたので引っ越しを考えるまでには至らなかった。

それにまだバリバリデルタ株が猛威を振るっている頃で、とてもではないが引っ越しをしようとは思えなかったのだ。

だがもともと嫌な事があると気になってしょうがない堪え性の無い人間で、“嫌いな人とずっと一緒にいなければいけない”のは私の最もストレスが溜まる状況だった。

家から出られずで毎日顔を合わせるし、嫌いになりすぎてもうこれは恋なのかと思うくらい彼女の事しか考えられなくなってくる。(ちがうよ)

私のペットボトルのキャップほどの器はすぐにいっぱいになり、だんだん部屋に引きこもり、浴びるように日本のお笑いを観て気を紛らわし、必要以上は誰とも話さない日々が続いた。

そしてついに半年後、彼女とちょっとしたトラブルがあり(あえてどんなトラブルかは語るまい)もう彼女と一緒に住むのは絶対に無理だと引っ越しを敢行することにした。

仕事のために1階にある部屋限定で近所を探しても条件に合う部屋はやはり見つからず、お知り合いの方に聞いてみるとちょっと都会からは遠くなるが部屋が空いているところがあると今住んでいる場所を教えていただいた。

 

電光石火のごとく引っ越しを決め、もう一人の新しく入ってきたダレノガレ明美を甘くしたようなルックスでスタイルも良いとても美人さんな同居人には報告をする。

私は彼女には好意を持っていたが、私が彼女とちょっとしゃべっていると自称歌手のその子がグイグイと話に割り込んできて結局自分の話を始めるので非常にダルく、その子とはほとんどちゃんと話せたことが無かった。

その日自称歌手の子は出かけていたのでこれ幸いと彼女といろいろ話をすることができた。

引っ越す一週間前になってやっとちゃんと話ができるとは皮肉だったが、今後も連絡を取り合おうと言ってお互いの自室に帰った。

 

そして翌日、そのダレノガレから、

『コロナで陽性が出たので私は部屋にこもるけどあなたも気を付けて欲しい』

と連絡を受ける。

 

 

 

なんそれ!(ZAZY)

 

 

 

このタイミング、絶妙すぎやしないか。

 

ずっと彼女とは挨拶するくらいしか話す機会はなかったのに、昨日じっくり話をしたことで今や私は完全体の濃厚接触者だ。

 

結局引っ越しは2週間後に設定しなおし、すぐに検査を受けても正しい結果は出ないとのことで5日ほど完全引きこもりをしてから検査を受けに行った。

 

その知らせの前に引っ越し先を紹介してくださった方(割と高齢)と、友人二人に会っており、陰性が出るまでの間、ああ、今まで気を付けて誰にも会わずにずっと家にいたのになんてタイミングが悪いんだ、もし私がコロナにかかっていてみんなに移してしまっていたらどうしよう、ともんもんと気に病んで過ごし本当に気が気ではなかった。

 

幸いダレノガレの症状は軽い風邪くらいで済み、私はその後無事に引っ越しを遂げることができた。

 

引っ越しして落ち着いた頃にダレノガレに連絡を取ってみると、なんと私の嫌いな自称歌手の子は私が引っ越して1週間後に出て行ったという。

 

 

 

なんそれ!(再ZAZY)

 

 

 

このタイミング、またもや絶妙すぎやしないか。

 

私は出ていく日に急に引っ越しを決めたのを不審に思った大家さんといろいろ話しをした。

彼女とのトラブルのことも。

大家さんに彼女に出て行けと言ったの?と聞いたら言っていないとのことだったが、たぶん大家さんが彼女に何か言ったのかもしれない。

 

それにしてもあの悶々とした日々は、私の引っ越しは一体何だったんだ。

私の後を追うように去るほど彼女はそんなに私が好きだったのか(ちがうよ)。

 

彼女も出て行ったし戻っておいで、と言われたがさすがに引っ越してすぐすぎるので断った。

 

そして今もその部屋に住んでいる。

今の家は都会から電車で30分~ほどの住宅街にあり、家も部屋もとても広く家賃も安く他の住人ともほとんど顔を合わせないのでノーストレス、非常に暮らしやすい。

三階建ての一軒家で同じ階には誰も住んでおらず、

f:id:joE:20220308210651j:plain広い庭があってヤシの木なんかも生えちゃったりしている。

街より自然があるので10cm超の巨大ナメクジが流しにへばりついていたり、夜中にそのまま仮面舞踏会に出れそうなくらいでっかい蛾が部屋に入ってきたりとそのたびに悲鳴を上げることはあるが、家自体はかなり気に入っている。

 

だがコロナが落ち着いてまた対面のレッスンの仕事をバリバリすることになったら立地的に不便なのでこの家からも引っ越しすることになるだろう。

 

前の家のトラウマも癒えてきているのでもう一回だけ他の住人とポルトガル語を日常的に話せるシェアハウスの環境にチャレンジしてみようかと思っている。

 

みんなとなかよくできるかな。

 

 

女一匹外国で暮らすのは結構大変なので、皆さんぜひ今後の私とZAZYの幸運を祈っていていただきたい。

 

 

 

 

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