ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

ブラジルに住む日本人サンバダンサーの全く華麗ではない日々

カーニバルのオフシーズン?

カーニバルまであと5ヶ月。

こちらではちょっと前まで公共の交通機関などではマスクの着用が義務付けされていたが、今はフリーな状態になった。

電車に乗るとだいたい半数くらいはまだマスクをつけており、半数くらいはマスクをつけていないという手ごたえである。

ブラジル人のことだからすぐさまヒャッホーと解除するかと思いきや、意外にマスクをつけている人も多い。

 

そろそろエンサイオ(カーニバルに向けての練習会)がちらほら始まり始めた。

チームによって日程はさまざまなのではあるが、サンパウロもリオもだいたい9月~10月の間に始まるチームが多いようだ。

じゃあカーニバルが終わって今までのその間は全く稼働していないかというとそんなことは無く、チームの来年のテーマを決め、テーマ曲の選定を行ったり、楽器のレッスンを開いたり(無料)フェイジョアーダ(ブラジルの国民食)を食べながらサンバをする公開フェスタを企画したりしている。

そんなこんなでやっとテーマ曲選定が終わると、毎週エンサイオが行われるようになる。

今年は4月にカーニバルがありいつもより2ヶ月程余裕が無いわけだが、ほぼ通常どおり進められているようだ。

だいたい今年のカーニバルだって、わりと直前に延期が発表されたため2月下旬にはもうすべて完成していたと思いきや、3月中旬にあるチームの作業場を見に行ったところ絶賛作業中で完成はぎりぎりになるだろうということだった。

相変わらずのブラジルぶりである。

 

 

最近フェスタやエンサイオに行ってみたのでどんな雰囲気なのか写真を上げてみたい。

 

まずはある2部リーグのチームで行われたサンバのフェスタだ。

他の2部リーグの2チームも呼んでやっていたので人数も多く非常に盛り上がっている。

中には2部リーグなんてどうせ演奏も踊りも大したことないのだろうなどと思う方がいるのだが、特にサンパウロは1部リーグの14チーム中、下位の2チームが2部リーグの上位2チームと入れ替わり、変動が激しいので(リオは基本的には12チーム中1チームのみ、年によって例外アリ)、1部リーグと2部リーグの実力は肉薄している。

カーニバルで上位に行くかどうかは政治や経済力の問題とかもあるしね。

今回はどのチームも2部リーグとはいえどこも老舗のチームであったので、演奏も盛り上がりも1部リーグに劣るものでは無かった。

1部リーグや有名チームだけが偉いと勘違いしてる情弱には言っておきたい。

サンバなめんな。

たとえもしどんなに小さなチームであっても、サンバを愛する者たちが集う場所は等しく美しい。






一方こちらはサンパウロの南の方にあるチームの第一回目のエンサイオの模様だ。


この日はテーマ曲のお披露目と第一回のエンサイオが同時に行われていた。

 

私は見物人なので気楽にビールを飲みながら、演奏が始まる直前にトイレに行く道すがら、背の高い一人の、推定年齢55歳くらいのおじさんが裏の方で天を仰いで手で顔を覆っているのを見かけた。

近くにいた他のおじさんに彼は泣いているのか?と聞くと、そうだ、やっとここまで来たと彼は感動しちゃったんだね、と何ともないように答えた。

いい年のおじさんの感情を高ぶらせ男泣きさせてしまうとは、このチームはなかなか良いチームなのに違いない。

 

 

 

ダンサーのみなさんサンバを踊る喜びに満ちている。

 

 

 

もう、来年のカーニバルは始まっているのだ。

 

 


おまけ

ひとりで行ったのでつまらなくて、すごいかわいい子供がいたので一緒に遊んでいたら、その子供のおじいさんと思われる人が特別席に行くけど君も来るかい?と誘ってくれたのでのこのこと付いて行くことにする。

お父さんは飲み干したイチゴのカイピリーニャ(アルコールカクテル)の残りのイチゴをちびちゃんに食べさせている。

 

残りと言えど度数の強いお酒にひったひたになったイチゴだ。

さすがにそれはオイオイ、、、と思いやや控えめに

「子供が酔っぱらっちゃうんじゃないの?」

と言うと、

「そうだね、早く寝てくれてちょうどいいさ」

と答えてきた。

だめだ。

ブラジル人の教育方針に口は挟めねえ。無駄だった。

 

かわいいちゃんはヒヨドリのように絶えずイチゴを欲しがり、結局全部食べ切った。

 

せめてかわいいちゃんが酒豪でたくましい女性に成長することを祈りたいと思う。

 

 

 

 

来年のカーニバルは、もう始まっている。

 

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