さて、最先端医療だ再生医療だと何度も言っているが、皆さんはあんまりピンときてはいまい。
では、いったいどんなものなのかここでひとつ一緒にお勉強しようじゃないか。
ここでは再生医療と言っても巷で良く聞くIPS細胞を使った移植手術などとは少し異なる。
整形外科の分野での再生医療PRP(APS)療法についてであることをご理解いただきたい。
※ここから難しい説明が続きます。ダルい方は下の点線まで読み飛ばしてください。後にやわらかくして説明します。
最先端である関節治療の再生医療PRP療法とは
〇PRPすなわちPlatelet Rich Plasma=多血症版血漿という血小板を濃縮した血漿による治療のことである。自身の血液から抽出したPlatelet(血小板) Rich(豊富な) Plasma(血清)の抗炎症サイトカイン・修復(成長)因子を濃縮した溶液を関節注射し、組織修復を期待する。
〇APS療法というのはすなわちAuologous Protein Plasma=自己たんぱく質溶液という、自身の血液から抽出したPRPをさらに再精製し純度を高め、抗炎症サイトカイン・修復(成長)因子を濃縮した溶液を関節注射し、組織修復を期待する。効果はPRPよりも高い。
▼どちらも自己血液を用い自己修復機能で効果持続が期待できる関節治療である。
▼採血と注射で完了する低負担な治療。自分の血液からつくられるため拒否反応の心配がない。
(病院の説明文参考)
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※我こそはバカである、という方向けの説明はこちらから。
〇PRP療法とは
人には怪我をした時に自然に傷を治す能力がある。私たちの体内に超ちっちゃいミクロ工事現場のおっちゃんみたいなのがいっぱい住んでいて、私たちがケガをすると修復するため汗水たらして働いてくれてるので傷が治る、そういうシステムであると想像してみて欲しい。
私たちの血液中にいるそのおじさんたちごと抜いた血を特別な機械に入れてぶん回してやると不思議とおじさんたち大喜び。それによっておじさんたちのやる気は天井知らずに。そのやる気おじさんたちでパンパンになった汁だけを取り出し、それを問題のある関節に注射してやるのだ。たくさんのおじさんたちは身体に戻ると「この現場は酷いな、、、よし下がれ、ここは俺たちに任せとけ」と、ニッカポッカ(紫)をたなびかせ修復工事を頑張ってくれる。それで膝の修復が期待できる、というわけだ。
〇APS療法とは
PRP療法と似てる。でもさらに濃いい超やる気おじさん汁を作って膝に注射するからもっと効く。
▼どっちの療法も自分の血にある成分から成る真面目で人の好いおじさんを拉致して強壮剤を飲ませて馬車馬のように働かせる感じなので、関節の修復工事はうまくいき、かなり継続するはずだ。彼らがやがて力尽きるまでは。
▼1.血を採る2.膝に注射する、以上!という治療なので、身体が楽。それにもともと自分の一部であったおじさんたちであって、よそから来た知らんおじさんとかじゃないのでそれを関節に戻したとて、今までどおりみんなで平和に暮らしていける。自分とは違う成分からできているよそのおじさん入り注射をした場合、万一おじさん同士が仲良くできずすわ戦、となれば私たちの身体がバトル・フィールドになるので健康に支障(=拒否反応)がでることがある。なので安全。
(独自の理解による説明。多分だいたいあってる。)
病院の説明資料より
本気でもっとご興味のある方にはもう自分でググれよとしか言って差し上げられない。
バカ向けのほうの説明を読んで逆にもっとわかりにくくなったという声も聞こえてきそうだが、まあ、おおまかなところはおわかりいただけ、おじさんの行く末だけがとても気がかりになっているところだと思う。
だが、病院の説明文を参考にさせていただいた、難しいほうの解説にちょいちょい「修復が期待される」というようなファジーな表現がされていたことにはお気づきだろうか?
期待外ればかりのハズレ人生を送ってきたこの身にこの表現はビターが過ぎる。
やったってどうせ私には効かないに違いないと思われた。
10日後の治療の予約の日が近づいていたが、その頃にはその日に予定を入れてしまうくらいで、この再生医療はやっぱりやらない、とほとんどその心を決めて過ごしていた。